『いちばんここに似合う人』ミランダ・ジュライ(新潮社)


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『いちばんここに似合う人』ミランダ・ジュライ(新潮社) 
 
 



作品名:いちばんここに似合う人
作者:ミランダ・ジュライ
訳者:岸本 佐知子
出版社:新潮社
内容(「BOOK」データベースより)
 水が一滴もない土地で、老人たちに洗面器一つで水泳を教えようとする娘(「水泳チーム」)。英国のウィリアム王子をめぐる妄想で頭がはちきれそうな中年女(「マジェスティ」)。会ったこともない友人の妹に、本気で恋焦がれる老人(「妹」)―。孤独な魂たちが束の間放つ生の火花を、切なく鮮やかに写し取る、16の物語。カンヌ映画祭で新人賞を受賞した女性監督による、初めての小説集。フランク・オコナー国際短篇賞受賞作。


 
 人は肉体的にも精神的にもどこかへ向かう手段を持っている。


 ただ「どこへ」が決められないあまり、その身体であれ魂であれは自分ではないものと一緒に流されていくのかもしれない。
 
 
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【日々を交えて】
 題がここまで魅力的な作品というのにはなかなか出会うことは少ないかと思います。


 No one belongs here more than you.


 原題、そして「いちばんここに似合う人」という邦題、どちらも「自分のことが描かれているのではないだろうか」という期待を抱かせてくれます。


 それは特別な思いではなく、多くの人がどこかしら持っている「ここは私の場所ではないかもしれない。」という思い。


 その思いにこの一言は直接語りかけてきているように感じます。


 収録されている一編、一編にもこの思いは通じているなと感じました。


 「2003年のメイク・ラブ」を上記感想では取り上げましたが、「水泳チーム」という作品も印象に残っています。


 人は泳ぐことを決めたならそれがどのような泳ぎ方であろうと溺れないように泳がなければいけない。


 これはもっと大きなことにも通ずるところがあるように感じます。


 東京事変の「心」という曲の歌詞にも似通う部分があり、好むものには不思議と重なる所があるのかもしれないということを強く感じました。


 

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